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 私は思っていた以上に、森山直太朗が好きだったようです。


 「森の人」のDVDを見終わりました。
 なんかもう、すごかった。こんなにすごいとは、正直思ってなかった。期待以上。

 森を愛し、真実の愛を探し求めて、森に住まう「森の人」と、失恋の傷を癒すために放浪を続けている唄うたいの旅人(森山直太朗)。
 旅人は、道に迷って森の人が住まう森にやってきて、二人の交流が生まれる。
 主な会話の内容は、愛について。森の人がいかに森を愛し、森と同化することを夢見ているか。どれだけ森が魅力的なのか。それを森の人が、うっとりと話す。それについて、旅人が時には茶々を入れ、時に疑問を投げかける。
 そうやって、森の人と旅人は、そして森に住まう木霊や風の精たちと旅人は、少しずつ親しくなっていく。

 ベースは演劇、、合間に直太朗の歌が入って、でも、ミュージカルというにはちょっと語弊があるかなぁ、といった感じ。芝居の演出方法のひとつとして、歌が入るといった感じ。……って、それがミュージカルか(汗)。
 彼の歌はもちろん素晴らしいんだけど、驚いたことに演技もうまいのね! 他の役者さんたちは本当に舞台俳優ばっかりなんだろうけど、全然見劣りしなくて。
 ちょっと芝居自体が長いかな、というのと、声を張り上げるだけが台詞を強く伝える方法ではないよな、というところで引っかかりは感じたものの、まあ、アレだ、家で見るのと生で観るのとは時間の感じ方が違うし、私は妙なところで冷めてるからそう思っちゃうんだろうな、っていうことで。

 森の人のいう愛は、真摯に見えるけど実は独りよがりで身勝手で、つぎはぎだらけでいろんなことに気づかないフリをしているだけの机上の空論。
 でも、どこまでも純粋で一途で深くて強くて。
 一方、旅人は愛の歌を歌うけど、それは本人が言うように、あくまで感覚的で「なんとなく」。
 でもそこには、言葉にすることのできない、肌でしか感じられない、理屈じゃない愛が隠されている。
 けっきょく、どっちも完全な愛ではない。
 あるいは、森の人の愛のほうが真実に近いのかもしれないけど、真実の愛はいつだって狂気を孕んでいるものだから、だから。

 どうしようもなく哀しくて、美しい舞台でした。
 映像を見てるだけでももう本当に何度も泣いて、苦しくなって、こんなんじゃあ、実際ライブでこれを観ていたら私はどうなっていたんだろうって思うよ。生で観たかった、本当に。
 こんど彼が、「森の人」のような舞台をやるときは絶対に見に行こう。



 いいなあ、舞台。いいなあ、芝居。
 この季節だからかもしれないけど、3年前(もうそんな前になるんだ)、ちょっとだけ芝居に関わっていた頃がなつかしい。また機会があったら、そういうのに関われたらいいなぁ。

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日本写真芸術専門学校在籍。
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