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伝えたいこと。湧き上がってくるもの。
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 BUMP OF CHICKENのベストアルバムを聴いています。
 ガラスのブルースとかの初期の曲、ヘタだね!笑 素人が聴いても音合ってないじゃん、とかわかるもん。
 でもその未熟さが愛おしいというか。よくここまで来たね、っていう、ちょっとした親心というか。
 今はすごいうまいしさ。素人が聴いても、この人たちの技術はすごいんだろうなあってわかるもん。あんなに複雑なフレーズ、どれだけ練習すればうまく歌えるんだろう。
 自分の成長となぞりたくなる。高校生の頃から、気づけばここまで聴き続けてきた。
 バンプと同じくらい、成長できているといいな。


 最近、杉本博司が気になっています。
 一般的な肩書きは写真家、なのかな。でも建築や写真以外の芸術にも携わっているような、謎の人。
 以前から名前を聞いたことはあったはずだけど、今年に入ってから川村記念美術館の「BLACK展」で「劇場」シリーズを見て、授業で「ジオラマ」シリーズを見て、香川の直島で「護王神社」を見て、よくわからないけど只者じゃない雰囲気をひしひしと感じ始めています。
 作るものに思想が含まれてる。一見するとシンプルな作品だから表面だけさらっとなぞってわかった気になりそうなんだけど、すこし気にして制作意図や過程を見てみると、ああそういうことだったのか!って新たな発見がある。深みが、奥行きがある。
 先日、図書館で偶然に杉本博司の「苔のむすまで」という本を見つけて、その認識はさらに倍増。
 写真のことを書いた本なのかと思ったらそういうわけでもなく(もちろん自分の作品の話もしているのだけど)、各章の中に日本史、特に日本の宗教史についての記述が多くあって、その博識さに舌を巻く。
 文章がまたうまいんだよ。全然違和感がないし、難解な話ばかりなのに読みやすいし。でも読み手に媚びている感じもしないし、書き手だけ勝手に先に進んでしまう感じも、読み手に合わせてあげてる、っていうようなある意味での高慢さもない。
 文章を書く仕事もする人なのかと思ったら、これ以前にはほとんどそういった仕事はしていなかったそうで、はじめこの仕事を受けたときには果たして本当に書けるのかと案じた、というような文章もあって、ええっ!って感じ。書き慣れてない人の文章じゃないでしょ、これ。
 本当に何者なんだかわからない。謎すぎる。

 言葉にできなくていいんだ、それこそを写真で表現したいんだから、という言い方がある。
 でもそれと、言葉をないがしろにするのとは違う。
 どちらも表現なんだから。
 写真である程度以上のことをしようとするなら技術を学ぶ必要がある。でも言葉で表現しようとしたとき、私たちはそもそもの技術を知っているはず。毎日毎日、それを使って生きているんだから。
 それを使いこなせない、というのは、そもそも使いこなす意思と覚悟が足りないからじゃないのかな。
 ふさわしい言葉が見当たらない、じゃあそれを見つける努力をどれだけしたのか? 言葉じゃ表現できないという、どれだけ工夫を重ねた上でその結論に至った?
 何かを表現したい、伝えたい、と思ったときに、どんな手段をとるかは実は些末なことで、一番重要なのは手段のずっと奥の方にある。
 それさえあれば、ある程度以上の文章はきっと書けるんだ。技術は知っているんだから。
 奥の方に何もない表現は、どんなに技術があっても上っ面だけになる。見る側は感覚で、本能で、それを嗅ぎ分ける。

 そんなことを改めて考えたりしました。

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